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0186〜0237 開目抄 0202:01〜0203:09
第27章 経文一一に符合するを明かす
本文
定んで天の御計いにもあづかるべしと存ずれども一分のしるしもなし、いよいよ重科に沈む、還つて此の事を計りみれば我が身の法華経の行者にあらざるか、又諸天善神等の此の国をすてて去り給えるか・かたがた疑はし、而るに法華経の第五の巻・勧持品の二十行の偈は日蓮だにも此の国に生れずば・ほとをど世尊は大妄語の人・八十万億那由佗の菩薩は提婆が虚誑罪にも堕ちぬべし
現代語訳
定めて仏の使いたる日蓮を、諸天善神も守護すべきはずであるのに、一分のしるしもない。かえってますます重罪におとしいれられている。このことからふりかえって考えてみれば、わが身が法華経の行者でないのか、あるいはまた諸天善神がこの国を捨てて去り給うのか、じつに疑わしき次第である。しかるに、法華経の第五の巻・勧持品に、諸大菩薩が仏滅後に法華経を説くと誓った二十行の偈は、日蓮さえもこの国に生まれないならば、ほとんど釈尊は大妄語の人となり、これを誓った八十万億那由佗の多数の大菩薩たちは提婆の虚誑罪と同じような嘘つきの罪におちいるであろう。すなわち日蓮がただ一人、法華経を予言のごとく正しく説きひろめているのである。