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2020.8.26-5(2)

2020年08月25日 (火) 23:09
2020.8.26-

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〈ロータスラウンジ――法華経への旅〉
第17回 提婆達多品第十二

「提婆品」とは――
この世で成仏できない存在はないことを示す

●シーン1
 釈尊が、菩薩や天界・人界の衆生、そして四衆(出家・在家の男性と女性)に告げます。
 「私は、はるか昔から常に怠ることなく『法華経』を求めてきた」
 そして、過去世での出来事を語り始めます。
 ――私は常に大国の王となって、菩薩行を実践し、人民のために身命も惜しまずに尽くしていた。
 「誰か大乗の教えを説く者はいないか。私はその者に尽くし抜こう」と、王位を捨て、太子に国を任せて、法を求めた時のことである。
 一人の仙人が現れて、こう言った。
 「私は大乗の教えである妙法蓮華経を持っている。私の言うとおりに修行するならば、法華経を説こう」
 私は、この阿私仙人の言葉に、踊りださんばかりに歓喜した。そして、千年にわたって仙人に仕え、完璧に精進し、成仏することができた。
 そのおかげで今、私は法華経を説くことができているのだ――。
 釈尊は、比丘(出家の男性)に告げます。
 「過去世での王は、私のことであり、その時の仙人とは、今の提婆達多である。
 提婆達多が善知識であるから、私は覚りを得て、今、多くの衆生を導くことができるのだ」
 さらに四衆に告げます。
 「提婆達多は未来に天王如来という仏に成り、天道という国で、多くの衆生に法華経を説くであろう」
 このように、悪人代表である提婆達多の未来の成仏が明かされます。

●シーン2
 多宝仏に仕えている智積菩薩が、本土に帰ろうとします。
 釈尊は、智積菩薩に告げます。
 「ちょっと待ちなさい。文殊師利菩薩と、語り合ってから帰ってはどうだろうか」
 その時、文殊師利菩薩が蓮華の台に乗って、大海の中にある娑竭羅竜宮から現れます。そして、釈迦・多宝の所に行き、あいさつしてから智積菩薩のもとへ向かいます。
 智積菩薩は、文殊師利菩薩に「あなたは、竜宮でどれくらいの衆生を教え導いてきたのか」と聞きます。
 「多すぎて数えることもできない」と答え、それを証明するかのように海から無数の菩薩が現れます。そして「海の中で、ただ常に法華経のみを説いてきた」と語ります。
 智積菩薩は聞きます。
 「法華経は甚深の教えである。衆生が精進し、法華経を修行したなら、速やかに仏になることができるのか、できないのか」
 文殊師利菩薩は、法華経の功力の証明として、自身が教え導いた娑竭羅竜王の娘・竜女について語ります。
 「この竜女は、年こそまだ8歳だが、智慧もすぐれ、法華経を信じ、修行にも励み、人々の幸せを願う慈悲深い心を持ち、正しい覚りを得ている」
 智積菩薩が疑います。
 「成仏するためには、長い間、修行を積むことが必要不可欠なのだから、竜女が短期間で、覚りを得られるわけがないではないか」
 するとその時、竜女が現れます。
 「私が成仏したことは、ただ仏だけが知っておられます。私は大乗の教え(法華経)で、苦しみ悩んでいる衆生を救います」と宣言します。
 こんどは釈尊の弟子である舎利弗が疑問を呈します。
 「それは信じられない。女性の身は穢れており、覚りを得られるはずがない。女性の身には五障(梵天王・帝釈・魔王・転輪聖王・仏の五つに成れない)があり、どうして女性の身で速やかに成仏できるであろうか」
 そうした疑念を払うように、竜女が聴衆の前で、即身成仏の姿を現して見せます。
 そして竜女は、衆生救済の誓願のとおりに、一切衆生のために妙法を説きます。その姿を見た娑婆世界の多くの衆生は大歓喜し、尊敬を表して礼をしました。
 さらに、聴衆たちは、不退の境涯を得たり、菩提心を起こしたりしたのです。
 このように「提婆達多品」では、成仏は、ほど遠いとされていた、悪人と女人の成仏を明かすことで、万人成仏を可能にする法華経の偉大な功力をたたえているのです。

【コラム】 善人――悪と戦い続ける人
 「釈迦如来の御ためには提婆達多こそ第一の善知識なれ」(御書917ページ)
 なぜ、釈尊の命をも狙った悪人である提婆が、一番の善知識(善友)となるのでしょうか。
 それは、釈尊が提婆に勝ったからにほかなりません。勝つことによって、悪知識をも善知識に変えることができるのです。
 極善の仏にも悪の生命が具わり、極悪の提婆にも仏の生命が具わると見るのが、十界互具を説く法華経の生命観です。
 だからこそ、自身の内なる悪と戦い、仏の生命を涌現させ続けることが大切なのです。
 池田先生は、「『善人』とは『悪と戦っている人』です。外の悪と戦うことによって、自分の内なる悪を浄化している人のことです。この軌道が人間革命の軌道です」と語っています。
 昨日より今日、今日より明日と、自身をより良く成長させる自己との闘争を続けゆく人が、悪知識を善知識に、苦難をも追い風に変えていけるのです。


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