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2020.8.23-3

2020年08月22日 (土) 23:03
2020.8.23-

【大機小機】ブロックチェーン、官民で挑め
日本経済新聞 朝刊 マーケット総合2(19ページ)
2020/8/21 2:00

 コロナ禍でも、GAFAMと呼ばれる米国のグーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトに中国のアリババ、テンセントを加えた7大IT(情報技術)企業の業績は絶好調だ。時価総額ランクでは世界の最上位を独占しており、現代の世界経済の覇者といえよう。

 だが覇者にもアキレスけんはある。データの漏洩により、顧客のプライバシー保護を危うくするリスクだ。一方、従来の中央集中型台帳システムと違い、分散型台帳のブロックチェーンは、データの改ざんが不可能で、漏洩リスクは極めて小さい。

 実用化では中国が先行しているが、日本企業にも機会は残されている。ブロックチェーン競争を制すれば米中のIT巨人に取って代わることもありえる。コロナ禍は、デジタル後進国、日本の現実を露呈した。だが、日本がデジタル投資を進め、人工知能(AI)、次世代通信規格「5G」の活用を積極化するとともに、ブロックチェーンの事業化に向けた開発に官民一体で挑めば、世界のデジタル競争で勝機も生まれよう。

 だが、日本経済の問題はデジタル化の遅れだけではない。多くの中小企業はコロナ禍で深く傷ついている。政府の手厚い支援は評価できるが、リーマン危機では大型支援を実施し、その後の国政選挙のたびに与野党が中小企業支援を公約、実行してきた。こうした長期にわたる国の支援が、十数万といわれる、ゼロ成長、長期納税ゼロのゾンビ企業の存続を下支えしている。日本の生産性が先進国の中で最低水準にある主な原因である、こうした企業を整理するのがコロナ後の日本経済再生の必須条件となろう。

 コロナ禍の中でも欧米諸国は、気候変動対策に懸命に取り組んでいる。米民主党の大統領候補、バイデン前副大統領は、経済政策案で脱炭素社会の実現に2兆ドル(約210兆円)の投資を公約。欧州委員会は、使途を加盟国のグリーン対策とデジタル化に限定した7500億ユーロ(約90兆円)の復興基金を設けた。

 多くの先進国企業も炭素ガス排出削減の数値目標を設定し、株主第一から社会、従業員など多様なステークホルダーに尽くすESG経営にかじを切る。世界の新潮流は、コロナ後に急速に進展し、人々の生活、社会、産業構造を一変させよう。

(逗子)


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