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2020.8.14-4(2)

2020年08月13日 (木) 19:23
2020.8.14-

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【グローバルオピニオン】
米中「競争と連携」の道歩め
独アリアンツ チーフ・エコノミック・アドバイザー モハメド・エラリアン氏
日本経済新聞 朝刊 オピニオン2(7ページ)
2020/8/13 2:00
 世界の二大経済大国である米国と中国の緊張が高まっている。緊張を示す新たな証拠は、毎日のように増えている。米中のデカップリング(分断)が、現在進行中の幅広い脱グローバル化の動きに拍車をかける。両国の対立の激化は、米国よりも中国により大きな影響があるだろう。


 多面的なデカップリングの流れは、米中双方にとって経済的な逆風になるが、影響は非対称的である可能性が高く、中国のほうがより脆弱な立場に置かれるだろう。中国が発展するには、依然として世界経済が必要だからだ。

 デカップリングにより、中国の広域経済圏構想「一帯一路」や多くの途上国への大規模な融資など、国際的な経済事業の一部を維持するコストも上昇するだろう。中国政府は、同盟関係の多くが一方的なものであるという主張に対し、反論するのが難しくなるかもしれない。

 米中間の緊張の高まりは、米国との安全保障上の結びつきと中国との経済的つながりを維持しようと努めてきた、オーストラリアやシンガポールのような「デュアルオプション」国に大きな影響を及ぼす可能性がある。従来の戦略コストは低かったが、既にハイテク技術などを巡り摩擦が生じているように、今後は上昇する可能性が高い。

 こうした国々は、二大大国からの選択を迫られる可能性を考慮する必要があるが、考慮したくないし、準備もできていないのではないだろうか。それぞれの政府が直面する重要な外交問題であるにもかかわらず、いままであまり議論されていないようにみえる。

 経済の見通しはかつてないほど不透明で、政策の誤りや市場の偶発的な出来事に対し、ますますもろくなっている。望ましいのは、米グーグルのエリック・シュミット元最高経営責任者(CEO)が最近示した、米中の「競争と連携(rivalry partnership)」だ。健全な競争を繰り広げるものの、パンデミックや気候変動といった地球規模の課題に取り組むうえで重要な、協力と責任分担は排除しないことになる。長く起伏の多い道のりが予想されるが、脱線はさせないのが課題になるだろう。

((C)Project Syndicate)

 Mohamed A. El−Erian 英オックスフォード大博士。米債券運用大手ピムコの最高経営責任者(CEO)を経て現職。著書「市場の変相」で金融危機を予測。

戦略対話の再開を

 歴代の米大統領は様々な表現で対中関係を規定してきた。「戦略的パートナーシップ」と名づけたクリントン氏。「戦略的競争相手」から「責任ある利害共有者」と呼び変えたブッシュ(子)氏。「戦略的信頼」と位置づけ直したオバマ氏――。これらを翻し、「修正主義勢力」と断じたのがトランプ大統領だ。

 米国はいまや中国の共産主義体制そのものを否定し、経済・技術・安全保障・人権の各分野で強硬は策に動く。「ならず者国家」のレッテルさえ貼りかねない雰囲気が漂う。中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席も、国際社会の秩序づくりを米国と主導する「新型の大国関係」を口にしなくなって久しい。ここにきて鮮明なのは、挑発的な「戦狼外交」だろう。

 ブッシュ氏とオバマ氏は中国との戦略対話を続けた。トランプ氏はこれを中断し、場当たりの対応を繰り返す。激しい覇権争いを演じる両国が「競争と連携」の均衡を保てるかどうかはわからない。それでも戦略対話を再開し、決定的な衝突を回避する努力を続けてほしい。

(編集委員 小竹洋之)


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