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2020.8.3-5(2)

2020年08月02日 (日) 10:51
2020.8.3-5

天気予報なんかいらない?
 ――森田さんは、50年以上にわたって気象予報に携わってこられました。
   
 昔、「天気予報なんかいらない」と言われたことがあります。「雨を止められないから」と(笑)。
 そうじゃなくて、天気を予報することで、行動を変えられる。明日が雨だと分かったら、きょう中に洗濯しようと思うわけです。予測は、行動を変えるためにあるんです。行動を変えようとしない人にとっては意味がないかもしれないが、対応しようとする人は、自分をより幸せな方向に導き、人にも教えてあげることができるのです。
   
 ――最近、「気候変動」という言葉をよく耳にします。長年のご経験の上からも、最近の気象は尋常ではないと感じられますか?
   
 近年は特に、これまでとは次元の違う量の雨が降っています。日本全国で観測された全ての雨を集めても、かつては3万ミリや5万ミリが一番多かった。ところが2015年(平成27年)の鬼怒川水害では13万3000ミリ、18年(同30年)の西日本豪雨では観測史上最大となる20万8000ミリ、昨年の台風19号は12万5000ミリでした。
 昔は、防波堤や防潮堤が整備されていないことで大勢の人が亡くなりましたが、今はそうしたインフラが整っていても、それを凌駕する大きな災害に見舞われている。想定外のことが起きています。
 オーストラリアでは昨年、乾燥状態が続き、山火事が収まらなかった。ところが半年も続いていた火事が、1回の大雨で鎮火しました。つまり人間が対処できないほど、気象が“極端”になっているのです。


――気象解説をする中で、新型コロナウイルスの影響を感じることはありますか。
   
 空を見上げてみてください。皮肉なことですが、空気がきれいになっています。
 大気中のオゾンやPM2・5などの数値を分析した「大気汚染の少なさを表す指数」(ウェザーニュース)によると、その指数が、昨年と比べて明らかに高くなっています。今年の方が、鮮やかな青空なんです。
 衛星画像を見ても、これまでガスなどで覆われていた都市部の空気が澄んでいるのが分かります。移動や生産活動が制限され、自動車や航空機の排気ガス、工場の排煙などによる有害ガス(二酸化窒素等)の濃度が低下したことが大きな要因でしょう。



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