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2020.8.2-4(3)

2020年08月01日 (土) 17:31
2020.8.2-4

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【Asiaを読む】石油の需要拡大 備蓄で手を結べ
英ロンドン大学キングスカレッジ客員教授 
ニック・バトラー氏
日本経済新聞 朝刊 オピニオン(8ページ)
2020/8/1 2:00

 石油の輸入に依存するアジアの国々が、石油相場の変動から自国を守り、安定性を確保しようとするときが来たようだ。アジアは互いの疑念を払拭し、一丸となって石油備蓄を始めることが求められる。

 英石油大手BPのリポートによると、1日に取引される世界の石油の半分以上がアジアで消費されている。世界の石油輸出国の多くは、紛争リスクのある中東に位置している。アジアで消費される石油の多くは、イランに面するペルシャ湾のホルムズ海峡を通過する。軍事衝突やテロ行為で封鎖されてしまう可能性は、先進国を震撼(しんかん)させてきた。

 1973年の第4次中東戦争で石油を「武器」に使われる事態に対抗しようと、消費国は国際エネルギー機関(IEA)をつくった。深刻な石油の供給不足を想定し、備蓄することになった。実際、91年の湾岸戦争や2005年に米国を襲ったハリケーンなどの際、備蓄を放出した。

 IEAには日本と韓国が加盟するが、ほかのアジア諸国は不参加だ。アジアの石油輸入国はこうした枠組みに関心を抱いているようだが、中国などは、産油国との2国間の合意でリスクを管理できると考えるかもしれない。

 中国の原油の輸入量は増加し、19年には日量1千万バレルを上回ったようだ。20年も、新型コロナウイルスの感染拡大による影響はあったものの回復傾向にある。中国はイランから石油を安価で輸入し、見返りにインフラ投資をする25年間の協定を結ぼうとしているという。中国がイラン以外も含め、2国間の協定の詳細を明らかにする可能性は低いだろう。


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