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2020.7.6-3

2020年07月06日 (月) 00:14

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◎【風見鶏】指導者に問われる「若さ」

 6月14日、トランプ米大統領は74歳の誕生日を迎えた。1期目の大統領として最年長だ。13日に陸軍士官学校で演説した後、ステージからスロープを下りる際に足元がおぼつかない姿が映像に捉えられ、健康を不安視する報道が出た。

 20日のオクラホマ州での選挙集会で、約1時間40分にわたる演説のうち14分を釈明に費やした。「革底の靴を履いていた」。スロープが急で滑りやすかったという。背中を曲げてゆっくり歩く格好まで再現してみせた。健康不安説を気にしている様子がうかがえる。

 11月の大統領選で民主党のバイデン前副大統領(77)が当選すれば最高齢の米大統領になる。70代対決になったのはなぜだろうか。

 上智大の前嶋和弘教授(米国政治外交)の解説はこうだ。米大統領選は「変革」のメッセージが有権者をひき付け、勝敗のカギを握る。1960年のケネディ、92年のクリントン、2008年のオバマ各氏いずれも40代という「若さ」を武器の一つにして勝った。

 トランプ氏が変革を印象づける手法はワシントン政治に染まらないアウトサイダーであることのアピールだ。バイデン氏は反トランプを鮮明にして変革を訴える。前嶋氏は「変革のイメージを出せれば政治的な『若さ』を演出できる。身体的な年齢は大きな要素にならず、結果として高齢対決になった」と語る。

 欧州では若いリーダーも目立つ。フィンランドのマリン首相(34)、オーストリアのクルツ首相(33)は30代前半だ。マクロン仏大統領(42)も若い。

 日本はどうか。戦後最年少の首相は06年に52歳で就任した安倍晋三首相(65)。北朝鮮への毅然とした態度で人気を集め一気に駆け上がったが、健康問題もあって1年で退陣した。12年に再登板し、21年9月に自民党総裁の任期が切れる。任期延長論がくすぶるのは、まだ65歳だからとも言える。中国の習近平国家主席(67)やロシアのプーチン大統領(67)より年下だ。



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