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2020.5.11-2

2020年05月11日 (月) 00:26
2020.5.11-

◎会計を風刺した最初の絵画
【右上】『金貸しとその妻』
1514年クエンティン・マサイス
(ルーヴェン、1465‐1466年‐アントウェルペン、1530年)
経験なキリスト教徒であると同時に賢く金儲けをする商人の姿。商人の妻は聖母マリアの肖像が描かれたカトリックの時祷書(じどうしょ)を手にしている。一方、帳簿や手形類は背景の棚に収められている。

【左上】『両替商とその妻』
1539年マリヌス・ファン・レイメルスワーレ
(プラド美術館、マドリード、スペイン)
マサイスから刺激を受けて描いたと思われる作品。
祈りを捧げるための時祷書が帳簿に置き換えられ、宗教的な要素が排除されている。よってここでは、単にオランダ商人のすぐれた会計技術と管財能力だけが讃えられている。

【右下】『二人の両替商』
1540年マリヌス・ファン・レイメルスワーレ
(ビルバオ美術館、スペイン)
会計を詐欺まがいの不正な行為として描くようになる。
ユダヤ人の信用ならない両替商や徴税人のイメージを表現。

【左下】『二人の収税人』
1540年マリヌス・ファン・レイメルスワーレ
(ナショナル・ギャラリー、ロンドン、イギリス)
台帳、手形、封印、書類箱などの道具類が精密に描写されている。とはいえ、歪んだ表情や仰々しい鬘(かつら)などは、彼らの強欲ぶりや金儲けの野望を暗示しているようだ。
会計や商業を讃えている印象はなく、計算や金勘定をあまり信用するなと警告しているように見える。

☆時祷書(じどうしょ、ラテン語: horae, 英語: primer, book of hours)は、現存するものの中ではもっとも多く存在している中世装飾写本である。内容はそれぞれ異なっているが、祈祷文や詩編を集成し、内容に合わせた挿絵をつけて、ローマ・カトリック教会のキリスト教徒としての信仰・礼拝の手引きとして編集したものである。
『正しい天秤、正しい重り、正しい枡………を用いなさい』

●クエンティン・マサイス(英: Quentin Massys[3],蘭: Quinten Massijs、1465/66年[4][5] - 1530年)は、フランドルの画家。その生涯を通じて、主に宗教画、風俗画、肖像画等を多く描き、その作風はイタリア・ルネサンスと北方ルネサンスとの融合といえる。

◎専門の官僚制度の確立
戦争技術が発達するとともに戦争将校が登場しましたし、司法手続きが詳細なものとなったために、訓練された専門の法律家が誕生しました。[財政、軍事、司法という] これらの三つの領域で専門的な官僚制度が確立されたのは、先進国においても、一六世紀になってからのことです。等族(シュテンデ)にたいする君主の絶対主義的な権力が強まると同時に、君主の直接的な支配も次第に衰退して、専門的な官僚による支配が誕生したのです(君主は専門的官僚の力を借りて、等族に勝利を収めたのですから、皮肉なことです)。
(マックス・ウェーバー「職業としての政治」)


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