◎「ウエストファリア体制(主権国家体制)の亡霊」(産経)
ヴェストファーレン体制(ヴェストファーレンたいせい、英:Westphalian sovereignty)
三十年戦争(1618年〜1648年)の講和条約であるヴェストファーレン条約(1648年)によりもたらされたヨーロッパの勢力均衡(バランス・オブ・パワー)体制である。日本では英語読みからウェストファリア体制とも呼ばれる。
この枠組みによって、プロテスタントとローマ・カトリック教会が世俗的には対等の立場となり、カルヴァン派が公認され、政治的にはローマ・カトリック教会によって権威付けられた神聖ローマ帝国の各領邦に主権が認められたことで、中世以来の超領域的な存在としての神聖ローマ帝国の影響力は薄れた。
ヨーロッパでは、神聖ローマ帝国の内部においてさえ、皇帝に代わって世俗的な国家がそれぞれの領域に主権を及ぼし、統治権と外交権を行使することとなった[注釈 2]。そのことにより、ヴェストファーレン体制は、しばしば「主権国家体制」とも称される。すなわち、国家における領土権、領土内の法的主権およびと主権国家による相互内政不可侵の原理が確立され、近代外交および現代国際法の根本原則が確立されたことである。
◎学習院大学・伊藤教授
「ウイルス感染の問題は今回で終わりではなさそうだ。それどころか、将来はもっと厄介なウィルスが出てくるという恐ろしい話をする医療関係者もいる」
『自由の命運』
経済学者アセモグルとロビンソン
「活力と豊かさを備えた社会の条件は、
国(state)が強力な力を持っていることと、
社会(society)が国の独裁や暴走をとめる対抗力を持つこと、
この二つのバランスが必要となる」
ウイルス問題への対応の躓(つまず)きは、政府の力を再構築する絶好の機会となっている。今回の危機が終わったら元に戻るのではなく、この危機を踏み台にして政府の機能の向上を見直す機会となるのだ。
「ワグナーの法則」
近代国家もしくは国と地方を合せての財政支出は,かりに人口,物価,所得が不変であっても膨張する傾向があるという経験的法則をいう。最初にこの傾向を定式化したドイツの財政学者 A.ワーグナーにちなんで「ワーグナーの法則」とも呼ぶ。かつて帝国主義の時代に経費膨張の主因となったのは,軍事費とそれに関連する植民費,産業振興費,社会政策費 (軍人恩給,遺族年金など) ,公債費であったが,他方ワーグナーにまつまでもなく国民の福祉は国防と並ぶ近代国家の目標であり,今日の経費膨張はこの要請によるところが大きく,公共部門の相対的拡大をさすといってよい。その統計的裏づけは,一般に国民総生産 GNPまたは国民所得に対する財政支出の比率によってなされる。
◎「ローマはなぜあれほど強大な世界帝国になったのか」
………これ(ギリシャ)に比べ、ローマでは君主制、貴族制、民主制の三つの勢力がバランスよく均衡し、内政の争いが少ないだけ、国外に目を向けることができる。そこにローマ国家の強大さの秘密がある。
(西日本)