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2020.4.24-2

2020年04月24日 (金) 00:23
2020.4.24-

◎『誰も注目しなかったアウグストゥスの帳簿』
アウグストゥス
(Augustus)(羅: Imperator Caesar Divi Filius Augustus インペラートル・カエサル・ディーウィー・フィーリウス・アウグストゥス、Gaius Julius Caesar Octavianus Augustus ガイウス・ユリウス・カエサル・オクタウィアヌス・アウグストゥス)
紀元前63年9月23日 - 紀元14年8月19日
ローマ帝国の初代皇帝(在位:紀元前27年 - 紀元14年)。

「私は煉瓦の街を受け継いで大理石の街を残した」

『神アウグストゥスの業績録』
「ローマの兵士に勝利給として、ポケットマネーで一億七〇〇〇万セステルティウス払った……」

「アウグストゥスが帳簿をつける物語など、全然魅力的ではないのである」

この『業績録』は、ローマにおける金石文の伝統の中では、顕彰碑文の一種であるelogium にもっとも近く、前30 年から後14 年にいたる40 年間以上にわたって、ローマ政治を支配し、事実上、新しい支配体制を築き上げたローマ史上比類なき政治家の執務報告でもあった。

「ユリウス・クラウディウス朝」
(英語:Julio-Claudian dynasty)
古代ローマ帝国の王朝で、初代皇帝アウグストゥスに始まる5人の皇帝(アウグストゥス、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロ)の治世を指す。
紀元前27年から紀元68年まで約100年間続いた。

:…かつてのローマにおける支配者達が敗れ行く様子は、優れた歴史家達によって記録された。そうした歴史家達の誰もがアウグストゥスの治世を喜んで記述する事はなく、その後のティベリウス、カリグラ、クラウディウスの時代に至っては嘘で埋め尽くされた。そしてその皇帝が死ぬと鬱憤を晴らすように真実を書き連ねるのが常だった(タキトゥス「年代記」より)

「世界の政治指導者が自らの統治手腕や正当性の裏付けとして財政の実績を公表するようになるまでには、一七〇〇年近い歳月を要した」

☆この私、クラウディウス
I, CLAUDIUS
著者 ロバート・グレーヴズ
訳者 多田智満子
訳者 赤井敏夫

生まれついての病身で吃音症、貧弱な肉体に足をひきずり、母からうとまれ歴史研究にうちこみ、誰にもかえりみられなかったこの人、クラウディウス。ところがカエサル、アウグストゥスの後継をめぐって有力候補が次々と抹殺されていくなかを、彼はひとり生きのびる。とうとう自分でさえ思いもかけない最高位に登りつめるまで。渦巻く陰謀、なみいる悪女たち。豪放な笑いにみちた目くるめく古代ローマの世界。

謎の多い実在の第四代ローマ皇帝クラウディウスが、ギリシア語で書いた34巻仕立ての自伝――という体裁をよそおって、20世紀を代表する詩人・小説家・評論家・神話学者ロバート・グレーヴズがこの書を著した。グレーヴズ作品で日本語訳されたものはこれまでなぜか少ないが、多作な作家であり、ことに本書は1934年の初版後たちまちベストセラーとなり各国語に翻訳されて世界で読みつがれている。ふたつの文学賞を受け、さらに1976年にはBBC放送が連続テレビドラマを制作し、その後ビデオ化されて親しまれている。1998年にランダムハウス社モダン・ライブラリーが選んだ「英語で書かれた20世紀の小説ベスト100」や、2005年の『タイム』誌「小説100選」にも堂々入選している。
タキトゥスとスエトニウスをはじめ厖大な資料に依拠した考証の確かさは、ローマ史専門家のあいだで定評がある。第一次世界大戦に従軍して重傷を負い、一命をとりとめて帰還したのち作者グレーヴズ自身がたどった生涯の遍歴もなかなかに面白い。
が、なにをおいても、華麗なる傑作歴史小説の待望久しかった日本語訳なのである。
(帳簿の世界史)  
                                                                        


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