◎帳簿の世界史/ ジェイコブ・ソールズベリー
『ルイ一六世はなぜ断頭台へ送られたのか』
一六世紀になると、イタリアの共和国全般の推移と絶対君主制の台頭が相俟(あいま)って、会計への関心は薄れていく。
臣下が国家財政を厳正に記録しようものなら、君主に報復されかねない。財政改革を試みた大臣はいても、君主は結局、自分が責任をとるべき相手は神であって、財務長官ではない、と開き直る。こうして君主が財政の責任をとるべきとらなくなったせいで、ヨーロッパでは何世紀にもわたり金融危機が頻繁に起きた。
ルイ一六世の外務大臣を努めたヴェルジェンヌ伯は、フランス革命の八年前の一七一八年の時点で、アメリカ独立戦争の戦費が財政を圧迫していることに気づいている。 ヴェルジェンヌ伯は、この事実を絶対に世に知られてはならないと主張する。
帳簿を公開することは、財務会計の責任を引き受けることである。この年に、王家の収支と王家の危機的財政が財務長官ネッケルの手によって初めて白日の下にさらされたとき、ルイ一六世の神秘性は剥ぎ取られた。のちに王が断頭台送りになったのは、このことにも一因がある。
☆なんだか中国の未来を語っているようだ………??
●ルイ16世(フランス語: Louis XVI、1754年8月23日 - 1793年1月21日)は、ブルボン朝第5代のフランス国王(在位:1774年5月10日 - 1792年8月10日)。ナバラ国王としてはルイス5世(バスク語: Luis V.a)。ルイ15世の孫。王妃は神聖ローマ皇帝フランツ1世と皇后マリア・テレジアの娘マリー・アントワネット。
ジャック・ネッケル(Jacques Necker, 1732年9月30日 - 1804年4月9日)は、フランス革命前夜に活動したフランス王国の銀行家、政治家。父親はプロイセンの出身で、スイスのジュネーヴで公法の教授であった。そのため、ジュネーヴで生まれ、パリで銀行家として成功した。彼は貴族ではなくブルジョワであったため、フランスでは第三身分であり、一般庶民には人気があった。
1773年に『コルベール讃』を発表しアカデミー・フランセーズに顕彰される。続いて1775年4月19日に『立法と穀物取引についての試論』を発表し、当時の財務総監テュルゴーの穀物取引自由化政策を批判した。1776年にテュルゴーの失脚をうけて後任に就任する。すでにフランス財政は火の車であり、財政立て直しのため、国王ルイ16世に請われての就任だった。ネッケルは外国人だったため、財務総監ではなく財務長官という肩書きであったが、財務長官の実質的な権限は財務総監と同じであった。
王妃マリー・アントワネットとその寵臣に質素倹約を進言したため、王妃や保守派貴族たちに疎まれ、フランスの財政再建は進まないまま、1781年にルイ16世によって罷免された。
しかし、後任のカロンヌ、ロメニー・ド・ブリエンヌらが、特権階級である貴族への課税を試みた結果、失敗して辞任するに至り、1788年に再びネッケルの登板が求められた。ネッケルはそこで、世論を味方につけて財政改革を行おうと考え、三部会の開催を就任の条件とした。一向に改革が進行しない状況にルイ16世も焦り、三部会の開催を許可する。しかし財政改革は、利権を手放すことを拒否した保守派貴族たちによって阻止された。
「アッシニア#発行の経緯」も参照
1789年7月11日、マリー・アントワネット一派の圧力もあり、財務長官職を解任される。ネッケル解任の知らせは、7月14日の民衆によるバスティーユ襲撃が起きた要因の一つである。7月16日、バスティーユ襲撃を受けて再び財務長官に就任するが、財政再建策を見出せず、民衆の支持を失っていく。1790年9月4日に辞職し、生まれ故郷のジュネーヴに引退する。
【寸鉄】
自他共の幸福広げる学会
は共生の時代開く―博士
電話一つも心結ぶ契機に
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御書「大悪をこれば大善
きたる」。必ず勝つための
信心。我らは負けじ魂で
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今が拡大防ぐ重大局面!
買い物は家族とではなく
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皆で歌を作ろう―青年部
の参加企画に投稿続々。
希望を紡ぐ頼もしき智慧
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「健康の鍵は普段の生活」
と感染回復の106歳女性。
食事・運動・睡眠など賢く
◎名字の言
「ユーモアも自分を見失わないための魂の武器だ」
戦時中、ナチスに捕らわれた一人の精神科医が、収容所の中で仲間に提案したことがある。それは毎日、笑い話を作ること。数分間、いや数秒間でもいい。しゃれや冗談を飛ばし合い、笑って過ごそうと
▼そうやって過酷な状況に耐え、生き抜いた彼には確かな信念があった。「ユーモアも自分を見失わないための魂の武器だ」(フランクル著『夜と霧』池田香代子訳、みすず書房)
▼感染症拡大を防ぐため、不要不急の外出を自粛する日々が続く。“ならば”と先日、ある家族はお茶の間に集まり、川柳を詠み合った。テーマは「笑い」。特に、小学生の3人の子が素直な心を表現した川柳が愉快だった。
「おばあちゃん いつもテレビと 会話する」
「成績表 決死の覚悟で 親に見せ」
「勉強中 時計の針が 動かない」
▼久しぶりに、家族みんなで声を出して笑った。両親が語っていた。
「重たい雰囲気にのまれて、心まで重くする必要なんてない。希望を見失っちゃいけない。たくましい子どもたちに教えられました」
▼いくら外出自粛といっても、萎縮したり、孤独に陥ってしまうのは避けたい。電話、メール、SNSなど上手に活用しながら、明るい励ましを交わしていこう。この難局を、皆で乗り越えられるように。(誠)