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では、父上さま、いって参ります

2015年08月15日 (土) 21:47
では、父上さま、いっ

◎人質発航
「お父上、竹千代は歩きます」
「竹千代は重いから」

「竹千代、母上じゃぞ」
「ご苦労、ご苦労」

「苦しゅうないぞ、面をあげよや」

「竹千代は駿河へゆくのじゃ」

広忠は……急に大きくくちびるが歪むと、クックククと、のどの奥で泣きだした。

「父はそなたに礼をいいたい。そなたを送る時にはな……父は自分の無力を恥じて、こうしてそなたに頭を下げた……と、よいか、これだけは成長したあかつきにきっと思いうかべてくれよ」

◎潮見坂
波太郎「そこで生き残る道を申し聞かそう。戸田、松平、水野と三つの小党が同盟を結んでな、いざ両者が衝突するとなったら、いずれへも味方せずにいることじゃ。この三党で味方をせねば、いずれも必勝は期しがたい。必勝を期しがたければ戦いはなくて済む」


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