2004 年の出稼ぎ労働者の1日の平均労働時間の状況は、「8時間」が 39.5%、「9 10 時間」が 30.2%、「11 12 時間」が 14.0%、「12 時間以上」が 10.0%、「様々」が 6.3%となっており、出稼ぎ労働者の半数以上が時間外労働を行っているとの調査結果 がある(図表 13)。
出稼ぎ労働者の問題の一つとして、過酷な長時間労働が指摘されているが、今回の 実情調査では、時間外労働の賃金が適切に支払われているという前提に立った場合、 多くの出稼ぎ労働者が、ある程度の時間外労働を望んでいるという実態が分かった。 出稼ぎ労働者は、より多くの収入を得るため、農村部から都市部に出稼ぎに来ている ため、多少の時間的ゆとりよりも高い収入を求めており、時間外労働が少ないことは 収入も少ないことを意味し、これを理由に仕事を辞めてしまう者が少なくないとのこ とであった。
なお、中国の法定労働時間は、1日8時間、週 40 時間であり、時間外労働は、一般 的には1日1時間を超えてはならず、特別の理由がある場合のみ1日3時間、1か月
36 時間を超えない範囲で延長することができるとしている 18。 時間外労働の割増賃金 率は 150%となっている 19。
18 日本の法定労働時間は、1日8時間、週 40 時間であり、労使が 36 協定を締結している場合には、協 定の内容に応じて時間外労働が認められる。 19 日本の時間外労働の割増賃金率は 125%
20 労働社会保障部は、おおまかな統計では、2007 年の出稼ぎ労働者の平均月額賃金は1千元を超えたと 説明している。