【和解をめぐる法務と税務の接点】
〜従業員解雇の場合の未払賃金等〜
◎はじめに
平成24年地方裁判所事件総数168,230件
判決41.5%.和解34.1%
「和解は当事者が互いに譲歩して、その間に存する争いをやめることを約することによっ、その効力を生ずる」(民法695)
1.雇用関係をめぐる事件
○解雇した従業員を復職させる内容の和解
30日前予告
解雇の権利の濫用は無効
やむを得ない事由
社会通念上、相当と認められる事由
税務上は「労務の対価」
所得税法上非課税とされる損害賠償金等
(1)心身
(2)資産
(3)相当の見舞金
不当解雇期間の給与等…給与
セクシャルハラスメント等の慰謝料
…非課税
相当の見舞金…非課税
相当の金額を超える部分
…一時所得又は雑所得
割増賃金…給与
慰謝料…非課税
付加金の支払(労基法114)
…未払給与の倍額払い
…労働者の請求により
…2年以内
…一時所得
※事前に解決!!
解雇を撤回→取締役(委任)→解任
○解雇した従業員に対し退職金を支払う内容の和解
和解調書の具体的な記載内容により
「給与所得」又は「退職所得」
課税庁サイドにおいては、和解金の発生源泉に沿った事実認定
…実態に沿った課税
2.不法行為をめぐる事件
○個人事業主が損害賠償金を支払う内容の和解
心身…非課税
所得補償金…医療費控除の保険金等
資産
1)商品
2)店舗等
3)事故
業務かつ重過失なし…必要経費
業務かつ重過失あり…不算入
業務外…不算入
重大な過失があったかどうかの判定
総額が確定した損害賠償金を分割して支払う場合の必要経費に算入すべき時期
…実際に支払う年分の必要経費
○法人が損害賠償金を支払う内容の和解