Q2外国人社員に対する「ホームリーブ費用」の取扱い
当社では、海外で採用し日本に赴任して勤務している役員、従業員に年に1度休暇を取ってもらい本国に帰国してもらう制度を設けています。
日本から本国への旅費(航空運賃)は家族で帰国する場合には、本人と家族分全てを当社で負担しています。
この旅費(航空運賃など、いわゆる「ホームリーブ費用」)の取扱いについて教えて下さい。
また、すでに日本に在留している外国人を採用した場合には取扱いが変わりますか。
A2前者は非課税、後者は給与
前者の場合の「ホームリーブ費用」は家族分も含めて非課税になりますので、御社では源泉徴収の必要はありません。
ただし、以下の要件を満たすことが条件になります。
(1)国内において長期間引き続き勤務する外国人に対するものであること
(2)就業規則等に、相当期間(おおむね1年以上の期間)を経過するごとに休暇のための帰国を認めていること
(3)経済的かつ合理的と認められる通常の旅費費用であること
従いまして、途中で観光に行ったり、「ビジネスクラス・ファーストクラス」を利用した場合には、通常の旅費費用との差額が給与(役員の場合には「役員賞与」)となり、源泉徴収が必要になります。
ただし、後者の、既に日本に在留している外国人を採用した場合の、本国への帰国旅費を会社が負担した場合には、「給与」となり源泉徴収が必要になります。
なお、役員の場合には、「役員賞与」となり、法人税では損金不算入となります。
【源泉所得税個別通達直法6-1】
国内において勤務する外国人に対し休暇帰国のため旅費として支給する金品に対する所得税の取扱いについて
直法6-1(例規)
昭和50年1月16日
国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿
国税庁長官
国内において勤務する外国人に対し休暇帰国のため旅費として支給する金品に対する所得税の取扱いについて
標題のことについて、下記のとおり定めたから、これによられたい。
なお、この取扱いは、今後処理するものについて適用するものとする。
(趣旨)
本国を離れ、気候、風土、社会慣習等の異なる国において勤務する者について、使用者が、その者に対し休暇帰国を認め、その帰国のための旅行の費用を負担することとしている場合があるが、その休暇帰国はその者の労働環境の特殊性に対する配慮に基づくものであることに顧み、使用者がその旅行の費用に充てるものとして支給する金品については、強いて課税しないこととするのが相当と認められるからである。
記
使用者が、国内において長期間引続き勤務する外国人に対し、就業規則等に定めるところにより相当の勤務期間(おおむね1年以上の期間)を経過するごとに休暇のための帰国を認め、その帰国のための旅行に必要な支出(その者と生計を一にする配偶者その他の親族に係る支出を含む。)に充てるものとして支給する金品については、その支給する金品のうち、国内とその旅行の目的とする国(原則として、その者又はその者の配偶者の国籍又は市民権の属する国をいう。)との往復に要する運賃(航空機等の乗継地においてやむを得ない事情で宿泊した場合の宿泊料を含む。)でその旅行に係る運賃、時間、距離等の事情に照らし最も経済的かつ合理的と認められる通常の旅行の経路及び方法によるものに相当する部分に限り、課税しなくて差支えない。
【参考図書:税のしるべ2014年6月23日】