【北京時事】中国共産党序列4位の兪正声・全国政治協商会議(政協)主席は9日、北京の人民大会堂で自民党アジア・アフリカ問題研究会(AA研、会長・野田毅元自治相)訪中団と会談。「中日関係の困難な状況は安倍首相がつくったものだから安倍首相が脱皮し、中国に手を差し伸べてほしい」とした上で、「中国は応じないわけではない」と述べ、関係改善に向けた安倍首相の変化を求めた。
兪氏は具体的に、靖国神社参拝と沖縄県・尖閣諸島の二つの問題があると指摘。「一つ目は参拝をやめれば解決の道が開ける。二つ目は係争があることを認めてもらえればいい」と述べ、安倍首相に解決に向けた決断を促した。
兪氏は一方で、「(日中関係は)1950年代の方が難しかった」と指摘。「今のような難局はいずれ過ぎ去ると信じており、双方の努力で必ず難局は乗り越えられる」と述べ、民間・経済交流を推進すべきだとの立場を強調した。
先に訪中した高村正彦自民党副総裁率いる日中友好議員連盟議員団とは序列3位の張徳江・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)が会談しており、習近平指導部は「対日重視メッセージ」(日中関係筋)を安倍政権に送っている。(2014/05/09-19:37)