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雁を射落とす

2014年04月30日 (水) 20:43
雁を射落とす

六三ー四

宋江は軍を五隊に分ち、南豊を発して凱旋の途についた。
苑州の秋林渡(しゅうりんと)というところへ来たとき、宋江が馬上はるかに山の景色をながめていると、空中を雁の群が列を乱してとび去った。あやしんでわけをきくと、浪子燕青が雁の列に向かって矢をはなち、たちまちつずけざまに十数羽の雁を射落としたというのである。宋江は燕青をよんで、
「武人として弓矢のたしなみは当然である。しかし雁は仁義礼智信の五常をそなえた鳥であって、数十羽たがいにゆずり合い、尊者は前に、卑者は後ろに、秩序正しくとぶのである。一羽でも死んだり、はぐれたりすると、数十羽ことごとく哀鳴してやまない。いまきみはそのうちの数羽を射た。かりにわれら兄弟のうちから何人かを失ったちすれば、みんなどんな気持ちであろうか?」


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