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非永住者の国外源泉所得

2014年04月09日 (水) 11:59
非永住者の国外源泉所

問:
当社は、中国に親会社のある日本の子会社で、この度、中国の親会社から中国人(中国国籍)の役員が経営指導のため役員として日本の子会社に2年間の契約で派遣されます。
この中国人の役員は、同社契約のアパートメントホテルに滞在し、同社(日本の内国法人)から役員報酬を支払いますが、中国でも役員給与が支給されます。
この中国人役員の日本での課税関係はどうなるのでしょうか?
なお、中国人役員は今まで日本に居住したことはありません。

答:
その中国人役員は、来日した日の「翌日」から日本の「居住者」になり、御社が中国人役員に支給する役員給与について「国内源泉所得」として所得税が課税されます。しかし、中国で支払われる役員給与は、“日本に送金されない限り”「国外源泉所得」として日本の所得税は課税されません。

解説:
◎永住者、非永住者、非居住者の区分
個人
|ー居住者
| |ー永住者
| | 国内に住所を有する個人
| | または現在まで引き続いて
| | 一年以上居所を有する個人のうち、
| | 非永住者以外のもの
| |
| |ー非永住者
|   日本国籍を有しておらず、
|   かつ、過去10年間のうち
|   5年以下の期間、
|   国内に住所または居所を有する
|     個人
|
|ー非居住者ーー居住者以外の個人
  ※次のいずれか
  ◇日本国内に住所も居所も
   有していない個人
◇日本国内に住所を有せず、
   現在まで引き続き1年以上
   日本国内に居所を有しない個人


◎所得税の課税範囲
居住者             国内源泉所得 国外源泉所得
   ー非永住者以外       ○           ○
   ー非永住者           ○               △
居住者                 ○               ×
△…国内払と国内に送金された部分のみ課税

◎海外勤務者・在留外国人の税務
中国人役員が滞在する「アパートメントホテル」は上記「居所」に該当します。

所得税法施行令では、「日本国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有している場合には、入国した時から国内に住所があると推定される」と規定していますので、2年間の契約で来日するこの中国人役員は、来日した日の翌日から日本の「居住者」になります。

また、中国人役員は中国国籍であり、今まで日本に居住したことは無いとのことですので、上記「非永住者」に該当します。

「非永住者」は、「国内源泉所得」および「国外源泉所得」のうち国内で支払われたもの、および国内に送金されたものに所得税が課税されます。

よって、御社が中国人役員に対して日本で支給する役員給与は「国内源泉所得」として所得税が課税されますが、中国で支払われる役員給与は「国外源泉所得」として日本の所得税は課税されません。

※結論
…非永住者の国外源泉所得は、「国内払と国内送金分のみ」に課税

【参考文献:税のしるべH26.4.7号】


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