スコットランドは、18世紀初頭から始まる産業革命を牽引した地である。価値あるものをいかに生み出すか スコットランドには、実学を重視する気風が根づき、19世紀初め、世界に先駆けて、社会に貢献した人物を広く讃える「名誉博士」制度が生まれたといわれている。
スコットランドの緑豊かな文化都市・グラスゴーの中心地に神学の大学として、グラスゴー大学が創立されたのは、1451年のことである。
英国七大学の一つに数えられる同大学は、“古典派経済学者の父”アダム・スミスの母校であり、実学教育の淵源として世界で初の工学部が設置された大学である。蒸気機関を発明したワットも学んだグラスゴー大学は、現代世界の発展を決定づけた産業革命の電源地であった。
この歴史と伝統を誇るグラスゴー大学から池田大作名誉会長に名誉博士号授与との決定通知が届いた。
名誉博士号授与の決定
英国ロイヤル・オペラを民音が招へい(1986年9月)
マンロー教授とグラスゴー大学にて(1994年6月)
グラスゴー大学で最も権威ある機関である講座教授会。
議長を務めるマンロー教授が、池田大作名誉会長を同大学の名誉博士に推挙。諮問委員会等の厳正な審査で、池田名誉会長の教育・文化・平和活動が評価され、名誉博士号の授与は決定された。
池田名誉会長が創立した民主音楽協会(民音)はイギリスから、ロイヤル・オペラやロイヤル・バレエ団などを日本に招へい。民音主催の日本舞踊の公演もイギリス各地で催された。
1991年に、イギリスで「ジャパン・フェスティバル」が開催された折には、エディンバラのスコットランド王立美術館で、名誉会長が創立者である東京富士美術館主催の「日本美術の名宝展」を開催している。
さらに、創価大学とグラスゴー大学は、1989年に学術交流協定を締結。推薦留学や語学研修等を通じて、交流を深めてきた。
名誉博士号授与式
ケアンクロス卿から名誉博士号のフード、証書が授与された(1994年6月)
1882年に建築されたビュート・ホールにパイプオルガンが厳粛に鳴り響く
1994年6月15日、グラスゴー大学ビュート・ホールで池田大作名誉会長に名誉博士号が授与された。
池田名誉会長の推挙人である、グラスゴー大学講座評議会のマンロー議長が「推挙の辞」を述べる。
「池田氏のダイナミックな活力と創価学会の力は、日本の社会の発展に貢献され、貢献の度合いは、どんどん大きくなっております。また、そのエネルギーは世界に広がっております。」
「池田氏は、世界の平和に尽力されています。特に国連支援に貢献されるとともに、仏教者の視点から、国際問題について世界の主要大学で講演もしておられます」
「池田氏は国際的な人道主義者であり、世界の文化界にとって重要な人物であります」
と語り、名誉博士号の授与を総長に要請する、と結んだ。
要請を受け、総長のケアンクロス卿が名誉博士号の授与をラテン語で宣言。池田名誉会長に名誉博士のフード、証書が授与された。