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国際課税の現状

2014年01月28日 (火) 10:20
zeiken1731.納税者になろうとしない存在
「日本企業が製造拠点を外国に移して、雇用が失われているということは、何が原因であるとしても、これは事実でございま〔す。〕…〔他方〕外国の企業が日本にやってきても、日本で税金をあまり払わないようなスキームは、…開発されているわけでございまして、そういう企業は日本では余り雇いませんし、税金も払わない。しかし、利益を上げている。それを余り税金がかからない形で外国に持っていくこともできるわけです。」

「〔このように〕日本企業は外国に、メーカーを中心に出ていってしまって、外国からやってくるのは、余り税金を払わない企業で、そうすると一部の実直というのか、逃げ足が遅いというのか、真面目な企業が法人税で狙い撃ちされてしま〔います。〕」

2.税制調査会における国際課税の議論
(1) 第一は,法人税法上の外国法人課税における全所得主義から帰属所得主義への移行である。これまでの日本の国内法上の外国法人課税の方式の下においては,日本に恒久的施設を有する外国法人は,そのすべての国内源泉所得について法人税を申告納付することとされていた。しかし,この方式の下では,外国法人の恒久的施設は,それとは直接的には無関係の本店直取引から生ずる投資所得等の国内源泉所得についても法人税を申告納付する必要があった。他方で,たとえ恒久的施設それ自体が直接的に稼得した所得であっても国内源泉所得とされないもの(たとえば,外国法人の日本支店が国外から得た投資所得等)については,日本において課税することができなかった。

(2) 第二は,外国企業から日本の顧客に対して行われる国際的な役務提供取引につい
て,現在は課税されていない消費税を,技術的にどのような方式を用いて課税するかとい
う問題である。この問題については,今後,取引実態に関する調査等を十分に行ったうえ
で,2014年以降に法改正が行われるかもしれないという段階に立ちいたっている。

(3) 第三に,急速に規模を拡大しつつある国際的な課税逃れ取引に対する対応について
の議論である。この,先進国の財政に対して深刻な影響を及ぼしつつある現象について,
詳細に実態を把握し,それに対する適切な対応方法を考えることは,望ましい租税制度を
構築していく上で考慮すべき最重要事項の一つといえよう。

現在における検討の進行状況は,(1),(2),(3)の順であり,(3)の国際的課税逃れに関する検討が最も遅れているのが現状である。

3.タックスヘイブンとして用いられているかもしれない日本
巧妙な国際的課税逃れ取引に対して日本が十分に対応できないということは,単に日本
の税収が落ち込むことを意味するのみならず,日本が一種のタックスヘイブンとして利用されることを意味する可能性があるという点に留意しなければならない。
たとえば,外国法人が日本における法人税の課税を回避するために,恒久的施設として
認定されないようなかたちで日本における活動を行った最近における現実の例としては,

1)問屋の利用(たとえば,外国法人の危険と計算において,自らの名義で,商品等の
5 %のみの手数料を上乗せして日本国内で製品を販売する,105%会社等),

2)外国からの直接販売(日本への販売を外国法人からの直接販売とし,日本子会社は,
販売された商品に関するカスタマー・サービスだけを担当することとして,日本で課税される利益を圧縮する方法),

3)匿名組合契約の利用(外国法人を匿名組合員,日本法人を営業者として,かつ匿名
組合員に対する分配をきわめて高く設定する方法),

4)恒久的施設とならない倉庫の利用(物品等の販売を外国法人と日本の顧客との間の
直接的な契約に基づいて行い,当該外国法人の関連会社は,当該物品等を自らの倉庫
に保管し,そこから外国法人の指示で日本の顧客に発送する作業を行う方法)

等,かなり多く存在する。



 

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