世界の良書…心に残る一句
4. ゲーテ格言集
家庭の支配ということより高い地位がありますか。男は外的の事情に悩まされ、財産を作り、これを守らねばなりません。…私に言わせれば、男は支配しているつもりで何も支配せず、理性的であろうと欲して、常にひたすら政略的にならざるを得ず、公明であろうとして、隠し立てをし、正直であろうとして、うそをつかざるを得ないのです。達せられない目的のために、自己との調和という最も美しい目的を常に放棄しなければならないのです。これに反し、分別のある主婦は内部において実際に支配し、家庭全体にあらゆる活動と満足とを可能にします。
(「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」から)
生活の目的は生活そのものです。……この意味で私も心の備えをしています。われわれが内に向かってなすべきことをしたら、外に向かってなすべきことはおのずとなされるでしょう。
(J・H・マイヤーへ)
生活のすべて次の二つから成立っている。
したいけど、できない。
できるけど、したくない。
(「格言と反省」から)
真剣さなくしては、この世で何事もしとげることができない。教養のある人と呼ばれる人たちの間に、真剣さはほとんど見いだされない実情である。
(「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」から)
「処世のおきて」
気持よい生活を作ろうと思ったら、
済んだことをくよくよせぬこと、
滅多なことに腹を立てぬこと、
いつも現在を楽しむこと、
とりわけ、人を憎まぬこと、
未来を神にまかせること。
(「警句的」から)