【大機小機】米中金融円卓会議の仕掛け
日本経済新聞 朝刊 マーケット総合2(21ページ)
2020/11/6 2:00
外国人投資家による中国の国内債の保有額は、今年8月末時点で2.8兆元(約4200億ドル)。前年同期に比べて約20%増えた。世界国債指数への組み入れで、新たに1400億ドルが中国の債券市場に流入するとの試算もある。
共産党の「党中央委員会第5回全体会議(5中全会)」でも市場改革をうたったが、思わぬところで衣の下から強権の鎧がみえた。11月5日に上海と香港に同時上場を予定していた金融会社、アント・グループに、3日になって当局が突然待ったをかけたのだ。
透明性が乏しい規制リスクというだけでなく、法の支配を欠く一党支配の体制リスクでもある。ウォール街は目をつむり、ビジネスを求め中国に走るのだろうか。