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芸能
忘れられない一軒家
映画 『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』
(公開中)のジミー・フェイルズ、ジョー・タルボット監督
2020/10/15 5面
地価が高騰して家賃が上がり、長年暮らしてきた人たちが追い出される。そんな光景が、最近、アメリカの各都市で問題視されてきた。昨年、アメリカで高い評価を受けた『ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ』は、そのテーマに触れる傑作だ。今作でデビューした監督のジョー・タルボットと主演俳優のジミー・フェイルズは、ティーン時代からの親友。サンフランシスコを愛する彼らに、製作の裏話を聞いた。(映画ジャーナリスト 猿渡由紀)
■「黒人の友情ものはほとんどなかった」
「僕らはジミーの人生について、いろいろ話していて、漠然としたアイデアしかないまま、ジミーがスケートボードでサンフランシスコを駆け回る映像を撮影した。それが、意外に好評だったんだよ。大人気のユーチューバーには、もちろん劣るが、地元の人たちには結構見てもらえて、ジミーが街を歩いていたら、『あれを映画にするなら自分も手助けしたい』と言われたりもした」と、タルボット。
■「愛する街の複雑な部分を語っている」
「空のアパートや家があるのに、住居を持たない人が多数、道で寝ている。コロナが始まってからは、ホテルだって空っぽで、あの人たちを全員入れてあげられるくらい余裕があるというのに。世界から見るとサンフランシスコは進歩しているが、近くで見るともっと複雑で、そうでない部分もある。この映画は、それを語る」(タルボット)。