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「私がつくる平和の文化?」の第10回は、国連事務次長で軍縮担当上級代表の中満泉さんの登場です。2017年、日本人女性として初めて国連事務次長となった中満さん
――SGI(創価学会インタナショナル)は、1983年から国連の経済社会理事会の協議資格を持つNGOとして、さまざまな議論に参画してきました。こうした国連を支える市民社会に期待されることは何ですか。
市民社会の果たす役割は非常に大きいといえます。軍縮でいえば、対人地雷全面禁止条約やクラスター爆弾禁止条約、核不拡散条約(NPT)、最近では核兵器禁止条約など、重要な国際条約ができるまで、国際世論の大きなうねりを起こしてくれたのは、市民社会の活動でした。それに背中を押される形で、各国政府が交渉のテーブルに着く。それほど影響を与えています。
とりわけ、国連が強く期待しているのは、若い人たちの果たす役割です。気候変動では、グレタ・トゥーンベリさんが始めた活動は有名ですが、軍縮分野でも、若い人たちが創造的な活動をしています。デジタル技術を駆使して、被爆者の体験を世界中に届ける方法を考えたり、広島・長崎へのバーチャルツアーのアプリを開発したりと、自分たちでできることを考えていて、本当に勇気づけられます。私たちは、そうした若者たちが国境を超えてネットワークをつくれるようにするなど、最優先で支援しています。