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「地球憲章」制定20周年に寄せて 地球憲章インタナショナル ミリアン・ビレラ事務局長
あらゆる生命が輝く地球社会へ SGIとの協働を強めたい
SGIが9月19日、「地球憲章」の制定20周年を記念してオンラインセミナーを開催した。席上、SGIが地球憲章インタナショナル(ECI)等と協力して実施した写真・動画コンテスト「緑へのシフト」の講評などに続いて、ECIのミリアン・ビレラ事務局長が基調講演した。要旨を紹介する。
地球憲章は、私たちがお互いや世界とどのように関係すべきかについて、ビジョンと意識を広げるものです。また、将来の世代へのケアと責任に目を向けさせます。こうしたビジョンと倫理は、私たちを責任ある行動へと導くものです。
例を3つ挙げましょう。まず、地球憲章が掲げる「私たちは、地球という、運命を共有する一つのコミュニティーの一部であり、一つの家族である」という概念自体が、世界各地で広がりをみせている民族主義や差別、外国人排斥の波に対抗するのに役立ちます。
二点目に、社会的格差、人種差別、寛容の欠如、政治イデオロギーの二極化による暴力および紛争の世界的な増加により、寛容、非暴力、平和の文化の促進は、一段と緊急の課題になっています。
最後に、環境保護、社会正義、平和の確保という人類が直面する課題を、世界中の多くの人々が断片的に捉えていることによって、世界の危機が深まっています。ここでいう“断片的”とは、人間と環境・地球を分けて、「こちらが人類にとって望ましいビジョン、あちらが地球と環境にとって望ましいビジョン」のように考えることです。
このように、現代において地球憲章の意義は増しており、むしろ時代に先駆けて誕生したものだという評価が高まっています。何より重要なのは、こうしたビジョンの実現は急を要しており、そのために取り組まねばならない課題が多くあるということです。
ここで、長年にわたるSGIとの特別な協働に心から感謝の意を表したいと思います。
SGIと私たちは、地球憲章の発表前から協働してきました。25年間、私はさまざまな機会にSGIの方々とご一緒させていただきました。そのたびに、皆さんの優しさと敬意に満ちた人間性から、多くを学びました。
私が初めてSGIについて聞いたのは、1996年頃だと記憶しています。その後、ボストン21世紀センター(現「池田国際対話センター」)が一連の協議を行い、地球憲章の策定プロセスに多大な貢献をされました。この成果は3冊の書籍となって発刊され、今も非常に貴重な資料となっています。
そして2000年には、オランダのハーグで開かれた地球憲章会議に参加して発足を支援してくださり、制定後は地球憲章に関する意識と対話を生み出すために、“アジアツアー”を開催してくださいました。また、SGIが制作を支援してくださった映画「静かなる革命」は、変革に向けて立ち上がったインド、ケニア、スロバキアの3人の挑戦を紹介する素晴らしい教育資料となりました。
近年では、「変革の種子」展、「希望の種子」展の実施や、スマホアプリ「マプティング」の開発など、多くのプロジェクトで協力を重ねてきました。これらは私たちにとっても非常に大切なツールとなっています。
さらに、コスタリカにある国連が創設した「平和大学」内の「地球憲章教育センター」の設立を支援してくださったことにも感謝申し上げます。このセンターは、価値観と持続可能性の教育の世界的モデルになる場としてつくられたものです。
皆さんが寄せてくださったECIへの信頼に、心から謝意を表します。私たちが、共に歩んできた多彩な取り組みを通じて得た最大のものは友情です。