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2020.9.20-4(5)

2020年09月19日 (土) 23:41
2020.9.20-

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【人生100年 お金の知恵】
高齢者 投資トラブル多く
判断力低下 家族が目配りを
日本経済新聞 朝刊
2020/9/19 2:00

 「持っている株式を売って投資信託を買えば利益が出ますよ」。70代後半の女性Aさんに証券会社の営業担当者が何度も勧誘の電話をかけてきた。Aさんは最初はためらっていたが断り切れず、長年持ち続けた株式を売却して投信を購入した。

ところがその結果、200万円を超える損失を被った。Aさんは株や投信の取引に関する苦情を受け付ける証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)にあっせんを申し立て、証券会社に16万円を支払ってもらうことで2020年5月に和解した。

 長くなる老後に備えて、株や投信に投資する人は少なくない。ただ高齢者の投資ではトラブルも目立つ。FINMACのまとめでは19年度に寄せられた苦情の約3割が75歳以上からだった。苦情全体の6割は証券会社などの勧誘に関するもの。元本割れリスクや商品の仕組みについて説明が不十分だったり、リスクが大きすぎる商品を勧められたりしたという内容が多い。

 投信や株の販売で金融機関は損失が生じる恐れがあることなどを説明する義務があり、「値上がりします」といった断定的な表現は禁じられている。投資家は「説明を受けて理解した」という書類に署名しないと投信などを購入できないのが一般的だ。しかし「リスクを十分に理解しないまま署名しがち」とファイナンシャルプランナーの坂本綾子氏は指摘する。

 平均寿命が延び、高齢者が投資できる期間は長くなっている。市民グループ「良質な金融商品を育てる会」を主宰する永沢裕美子氏は「基本的には年齢が上がるとともに元本割れリスクがある投資は控えめにすべきだ」と話す。一般的には判断力が低下する人が多く、多額の投資をして大きな損失を被ると老後の資金計画や生活プランが狂いかねないからだ。

 高齢者の投資トラブルを避けようと、業界は自主ルールを定めている。日本証券業協会は仕組み債や複雑な投信などを勧誘する前に担当者が管理職などの承認を得るよう求めている。生命保険協会もリスクの大きい商品は契約前に複数回説明するなどとし、苦情が多かった外貨建て保険では販売するための新資格試験を10月に始める。

 ただし「金融機関が自分にあう商品を勧めてくれると思い込むのは間違い」と永沢氏は指摘する。説明を聞いてもよく理解できない商品は買わないのが原則だ。高齢者のトラブルが多い現実を踏まえて家族など周囲が目配りをする必要もあるだろう。契約時に同伴するのも一案になる。


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