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0186〜0237 開目抄 0202:01〜0203:09
第27章 経文一一に符合するを明かす
願兼於業
妙楽大師の法華文句記第八の三にある語。法師品の「薬王よ。当に知るべし、是の人は自ら清浄の業報を捨てて、我が滅度の後に於いて、衆生を愍むが故に、悪世に生まれて、広く此の経を演ぶ」の文を、妙楽大師がうけて「次に薬王ないし是の人、清浄の業報を捨ててとは、悲願牽くゆえになおこれ業生なり、いまだ通応あらず願いを業に兼ぬ」と釈した。ここでいう願いは願生、業は業生のことで、天台の迹門十妙の第九眷属妙を明かすなかに、五眷属(理性属、業生、願生、神通生、応生)として説かれている。業生とは過去世の罪業によって今世に生まれることであり、願生とは仏法弘通のために、過去世の誓願によって今世に生まれることをいう。すなわち、「願を業に兼ぬ」とは、法華経修行の功徳によって、安住の境涯に生ずべきところを、苦悩に沈んでいる一切衆生を哀れむがゆえに、みずから願って悪業をつくり、悪世に生まれて妙法を弘通することをいう。