Contents
RSS 2.0

ブログ blog page

2020.9.7-5(3)

2020年09月06日 (日) 13:51
2020.9.7-5

???

〈Seikyo Gift〉インタビュー 
ジャーナリスト 国谷裕子さん――情報と正しく向き合う

企画連載 私がつくる平和の文化?

●心の内を聴く直接の対話を

 ――NHK「クローズアップ現代」のキャスターとして、長年にわたり、多くの方にインタビューをしてこられました。

 現在、テレビ報道では、直接対面して取材することが困難となり、オンラインでのインタビューが行われています。オンラインでは、距離を超えて、わざわざ会いに行かなくても話ができ、情報を得たり、相手の考え・意見を聞いたりできるというメリットがあります。

 一方で、会ってこそできる真の意味での「対話」も、やはり求められてきます。相手が本当に言いたいことは何なのかを汲み取ろうとすれば、対面のインタビューで、相手が全身から発するメッセージを、こちらも全身で受け止める必要があります。

 そばにいて、ちょっとした仕草や表情、言葉の選び方などに触れることで、何かを感じ取ったり、気付いたりすることができる。「本当はもう少し話してもいい」と思っていることを感じて、もう一歩深めて、心の底のところを引き出すこともできます。

 特にこのコロナの時代、心の内を聴いたり、琴線に触れたりする深い対話が、とても大事だと思うんです。その意味では、インタビューに限らず、一対一で直接会って語り合うことの意義や重みといったことが、改めて認識されたと思います。

◇◇

●立ち止まって、考える

 ――私たちは情報の受け手であると同時に、「情報の発信者」にもなれます。心すべきことは何でしょうか? 

 私たちは自分の取り巻く状況に不安を覚え、何らかの確かな情報がほしくなると、一生懸命、いろんな情報にアクセスします。その際、知らず知らずのうちに、信じたい情報、共感できる情報ばかりを入手してしまう傾向があります。友人や知人からも自分の考えと似通った情報が手元に集まってくる。

 それを見て、「やっぱりそうなんだ」と、自分の考えをさらに補強し、強固にして、偏った情報に取り囲まれてしまう。そうなれば真に多様な考えを知る機会を失ってしまいます。

 結果として、自分たちとは異なる意見を排除することにつながっていく。さらに、許せないと思える情報が入ってくると、強いリアクションを取ってしまい、攻撃的・差別的な言葉を発信しがちになり、それが感情の対立や分断を生み出すことにつながります。

 自分の考えが正しいかどうか、正しい状況判断ができているかどうかを確認するには、あえて自分と異なった意見や見方に接し、一度立ち止まって、深く考えてみることが大切です。それは楽なことではないですが、自分の感情に訴え掛ける情報だけを取り込んでいては、先入観や偏見から逃れることはできないでしょう。

 今はSNSなどで誰もが情報を発信することができますが、発信する前には、自分と反対の立場の人や違った考えを持っている人がいるかもしれない、この発信で傷つく人がいるかもしれないと想像し、一呼吸おく冷静さを持ってほしい。一人一人が情報と正しく向き合うことで、「対話の文化」ひいては「平和の文化」が築かれていくと思います。

――今回のステイホームでは、いわゆる「ネット弱者」の課題も浮き彫りになりました。

 お子さんがいるご家庭だと、両親も家でネットで仕事をしなければいけないのに、子どももオンライン学習があったりします。家に何台のパソコンが必要だろうってなりますよね。

………大阪のある社会福祉協議会では、高齢者の安否確認やつながりを保つために、往復はがきを使っていました。「お元気ですか?」ってお手紙を出して、向こうからも「元気です」ってお返事が来たりする。そうしたやり取りで心の交流を図っていました。 

◇◇


トラックバック

トラックバックURI:

コメント

名前: 

ホームページ:

コメント:

画像認証: