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公明新聞 土曜特集
戦後75年、語り手なき時代どうつなぐ
東海大学・水島久光教授に聞く
2020/08/15 4面
終戦時に20歳だった人が95歳になる。率直に言えば「記憶を語る時代」が終わりかけ、「語り」のされ方は一つの節目を迎えている。
語り継ぐ点では、戦後60年の2005年が大きな転機だった。それまでも「語り部」として、積極的に体験を語っていた人はいた。高齢化に伴う危機意識やテレビなどのメディアの動きの中で、今まで語ってこなかった人、いわゆる「証言者」の話が数多く聞けるようになった。
――戦後60年以降で見えた、継承への課題は。
水島 一番の問題は、私たちは「何を語らなければいけないのか」について、残念ながらコンセンサス(合意)が得られなかったことだ。
「戦争」といえば、誰もが忌まわしきものだと答える。しかし、問題なのはその中身だ。忌まわしきものでありながら、“なぜ起きたのか”をしっかり掘り下げることが、十分ではなかった。
戦争を体験した人たちの言葉は、受け取る側も覚悟を持って向き合わなければいけない。どう向き合うのか、お互いの思いを共有できる環境や対話の場を戦後社会の中で確立できなかったのではないか。