◎コロナ後の経済/ 伊藤教授(7.12読売)
1930年の世界大恐慌は終結まで10年以上を要した………
長期化した背景には、二つの主たる要因………
グローバル経済(global economy)が混乱したことだ。
これを「Gの問題」。
もう一つは、金融政策の失敗に起因する通貨切り下げなどで、財政(finance)と金融(financial )に混乱が生じたことだ。
これを「Fの問題」と呼ぶことにしよう。
実体経済が低迷しているのに、株価や債権は堅調という状況は、実はリーマン・ショック以来ずっと続いている。
「低金利」「低インフレ」「低成長」の“3低”。
金利が非常に低いので、財政への負担は軽く、債務が増えても財政運営にすぐに支障が出る状況にはなかった。その結果、公的債務は増え続けた。
コロナショックで、3低の流はさらに加速しており、海外でも起きている。一部ではこれを「日本化」と呼ぶこともある。