問うて云く仏最初に何なる経を説きたまうや、答えて云く華厳経(けごんきょう)なり、問うて云く其の証如何、答えて云く六十華厳経の離世間(りせけん)浄眼品(じょうげんぼん)に云く「是(かく)の如く我聞く一時・仏・摩竭提(まかだ)国・寂滅道場に在つて始めて正覚を成ず」と、法華経の序品に放光瑞(ほうこうずい)の時・弥勒菩薩・十方世界の諸仏の五時の次第を見る時文殊師利菩薩に問うて云く、「又諸仏聖主師子の経典の微妙(みみょう)第一なることを演説し給うに其の声清浄に柔軟の音を出して諸の菩薩を教え給うこと無数億万なることを覩(み)る」亦方便品に仏自ら初成道(しょきょうどう)の時を説いて云く「我始め道場に坐し樹(じゅ)を観じ亦経行す、乃至・爾(そ) の時に諸の梵王及び諸天帝釈・護世(ぎせ)四天王及び大自在天並に余の諸の天衆・眷属(けんぞく)百千万・恭敬(くぎょう)合掌し礼して我に転法輪(てんぽうりん)を請ずと」此等の説は法華経に華厳経の時を指す文なり、故に華厳経の第一に云く毘沙門(びしゃもん)天王(略)月天子(略)日天子(略)釈提(しゃくだい)桓因(かんにん)(略)大梵(だいぼん)(略)摩醯(まけい)首羅(しゅら)等(略)已上。
(守護国家論38ページ)
マガダ国(Magadha、???)は、古代インドにおける十六大国の一つ。ナンダ朝のもとでガンジス川流域の諸王国を平定し、マウリヤ朝のもとでインド初の統一帝国を築いた。王都はパータリプトラ(現パトナ)。
ガンジス川の下流域(現在のビハール州辺り)に位置した国。仏典上の摩訶陀国。