中国のエリートには「人との付き合い方のルール」を教えないといけないようです。
日本もかつて「日本の常識は世界の非常識」と言われていたことを思い出します。
今は「中華思想という中国の常識は世界の非常識」のようです。
■周辺国は「教化されてない蒙童」
…蘇った中華思想の亡霊 「覇主国家意識」が本音だ
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先月13日、韓国政府が米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を
韓国国内に配備すると発表して以来、
それが自国の安全に対する「脅威」だと言い張る中国政府は
「制裁」の部分的発動などの圧力を韓国側にかけてきたと同時に、
各宣伝機関や御用学者を総動員して、
韓国の措置に対するすさまじい批判キャンペーンを展開している。
こうした中で、中国の環球時報ネット版「環球網」は今月16日、
ある軍関係者の韓国批判発言を紹介したが、
それは実に興味深いものだった。
発言者は中国国防大学戦略研究所元所長の楊毅教授で、
少将の軍階級をもつ現役の軍人である。
韓国の「THAAD配置」に関する座談会で楊教授は、
中国の意向に反して配置を決めた韓国に対し
「徹底的な懲罰」を加えるべきだと主張した上で、こう語るのである。
「今度は徹底的に韓国を懲らしめることによって、
今後のための1つのルールを確立することができる。
(韓国だけでなく)周辺国に分からせよう。
中国と付き合うのにはルールがある。
(それに従わず)わがままな行動を取った場合、
お尻をたたかれなければならないのだ」と。
楊教授発言にできるだけ忠実な日本語訳だが、
ポイントは2つあると思う。
1つは、韓国を懲らしめることによって中国と韓国、
中国と周辺国が付き合う場合の「ルール」を確立すべきだ
と彼が主張している。
もちろんその場合、「ルール」を確立するのは
中国の方であって韓国やその他の周辺国ではない。
しかも中国は、韓国や周辺国との
話し合いによって「ルール」を作るのでもなく、
「懲らしめる」という中国側の一方的な強制力をもって、
それを確立すべきだというのである。
つまり楊教授はここで、韓国や周辺国との関係において、
中国は一方的にルールを作って周辺国に強制すべきだ
と堂々と主張している。
ここにはもはや、国家間平等の観念や
「皆で共通のルールを作ろう」という国際社会の常識はかけらもない。
あるのはただ、中国こそがアジアと世界の
絶対的な「立法者」であり、独尊無二の「覇主」であるという、
あまりにもゆがんだ自国意識である。
それでは、周辺国が「中国のルール」に従わない場合はどうなるのか。
それについて楊教授発言は次のような答えを用意している。
つまり、「お尻をたたかれる」というのである。
中国語の世界では、「お尻をたたくぞ」というのはたいてい、
親や学校の先生がいたずらの悪童に対してよく使う言葉だ。
韓国や周辺国などの主権国家に対し、
このような言葉が自然に口から出てきたことは驚くべきである。
往時の華夷(かい)秩序において、
中華帝国は自らのことを「親」としての「宗主国」を自任し、
周辺国や民族を単なる「教化されてない蒙童(もうどう)」
として取り扱っていたが、
こうした覇道主義的中華思想の亡霊が
目の前に蘇(よみがえ)ってきているのである。
それは中国の一軍人の妄言として片付けられるようなものではない。
楊教授の発言はまさに公の発言として堂々と発表され、
中国全国のネットで広く流布されている。
「お尻をたたく」という言葉は
多くの新聞紙やネットニュースのタイトルにもなっている。
それに対する異論や批判は国内では一切ない。
国際社会では信じられないほどゆがんだこの発言は、
中国ではむしろごく自然に当然な言葉として受け止められている。
これを見てわれわれは一つ、
大事なことを銘記しておかなければならない。
昔の中華帝国のように力ずくで周辺国をねじ伏せ、
中国の一方的なルールに従わせて自らが覇主となる
というこの恐ろしい意識こそ、
今の中国政府と多くの中国人エリートの本音と野望なのである。
( 石 平 )
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