張建偉の水墨人物画を考察
2015/04/22 13:00:32 文/高秀林 著名な書画評論家、国家文物芸術品司法鑑定人
張建偉の作品は、伝統的な題材を表現しながらも、現実生活の中の人物に光を当てている。しかも、そのほとんどが一般庶民である。
彼の筆による水墨画は、自由で明るく自然で、人物像に躍動感がある。人間への愛情に溢れ、線は心のままに淀みがない。墨の意にまかせ、墨色も美しく健全である。その時代的審美眼としての役割は明確であり、伝統的な人物画に見られる無聊、停滞、荒涼、退廃の空気は排除されている。時代社会の生活情感が、必然的成因として、彼の人格を修練し作品に影響を与えている。
「秋実」
張建偉の作品は、人物表現を切り口として、自然環境と人間主義を表現したという時代的意義がある。その深い造詣は、儒学の「陰陽相生、無中生有、気生物象」の原理を基底とし、抑揚、緩急、躍動感、静動を表現したスタイルである。剛柔兼備の観点からは、儒学の中庸調和、剛柔兼備、経世済民の美学が物象相関の脱構築に作用している。