グローバルに活躍できるのは徳を身につけたリーダーである
SBIホールディングス
代表取締役執行役員社長北尾 吉孝氏
北尾氏は、グローバル事業を展開する上で一番大切なものとは「人」だと断ずる。
どの国に生まれた人もそれぞれの国の歴史と伝統の中で生まれ育っている。そうした人々に他の国の考え方や立ち居振る舞いを押し付けるべきではないし、それではうまくいかない。
グローバルな人材といえば、英語の語学力が話題に上るが、英語が話せるだけがグローバルな人材の条件ではない。それぞれの国が持つ文化や伝統、歴史を理解している人が真のグローバルな人材であると北尾氏は言う。無論、自国のみならず、相手の文化や伝統にも知識を持ち、理解を示さねばならない。
どの国の人も結婚式では喜び、笑い、葬式では泣く。このように喜怒哀楽は国籍が違っても変わらない。つまり、国籍は違えど人間性は変わらないということだ。ならばリーダーとして大事な要素にも共通点があるはずだ。それが「徳」であると北尾氏は考えている。
徳とは人々に慕われる魅力であり、儒教的に言うならば「仁義礼智信」が優れている人である。また、コミュニケーションは大事なので、できれば同じ言語で話せることが望ましい。
「君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸(これ)を人に求む」
リーダーは人の意見は聞くものの、最終的な決断はひとりで下し、それに責任を負わなければならない。
今、日本人はあまり海外に出たがらない傾向にある。ならば進取の気を持って一旗揚げたいという気概を持つ外国人をグローバルに調達すれば良い。