税法シリーズ研修会
第2回
平成26年11月18日(火)
相続、贈与の申告実務の対策2
〜相続税の申告実務の取組み方〜
講師:税理士 山本和義氏
◎はじめに
専門家としての説明責任を果たしていこう
第一章 相続実務の考え方・取組み方
1.生前
金融機関、不動産、建設会社などのコンサルテイングーー究極の目的は自社商品の販売
養子縁組ーー全体として節税になるが、分割協議でもめることが多い
賃貸マンションーー大きな節税効果。しかし、節税効果は相続人全員に及ぶのに対し、借入金の返済義務は特定の相続人に及ぶ
2.安易に相続税申告を受託しない
完璧を求める
税務調査で加算税など思いもよらない
80%平均1件700万円の追徴
「700万円別途準備しておいて下さい」(笑)
相続土地を売却
申告期限後だったので特例受けられなかった→クレーム
「そのことを説明してほしかった」
3.相続税の計算・申告だけでは不十分
税理士以外の専門家
ふるさと納税
遺産整理業務
年間死亡126万人
申告件数5万人→7万人
税理士1人1件
4.中立の立場
ばらばら→まとめてあげる
5.申告期限1週間前
未分割
立場は「代理人」でなく「使者」
伝書鳩
ホンネ
ベースが一致していると
ここでまとまらなかったらーー
あとは直接やってください
もめたらそれぞれ代理人
ーー結構効ける
申告期限までにまとめさせる
ーー税理士の恩返し
もめたら法定相続分
第二章 相続実務の特殊性
(1)相続発生後1か月以内の税務以外の手続き
1)死亡届
2)社会保険関係
◎遺族年金ーー960万円に注意する
所得と連動
ーー総所得
ーー特別控除前
ーー収入
◎後期高齢
◎介護保険料
◎高額療養費
◎金融機関への死亡届出
◎クレジットカードの返却等
◎車の名義変更
◎会社役員変更届
個人事業廃止
青色申告取りやめ
給与支払事務所等
個人消費税の死亡届
(2)相続人に係る手続き
1)青色申告承認
2)消費税の各種選択届出書
3)たな卸資産・減価償却資産
4)根抵当権に係る債務者変更登記
3.税務関係以外の重要な手続き
(1)戸籍謄本等の収集
養子縁組があったりすると困る
ーー2割加算の対象かどうか
ーーどなたが養子にしたのか
ーー司法書士との間点
全く知らない相続人が出てくる!
税理士試験も法定相続人間違えたらオウト
◎限定承認ーー実務ではあまり利用されていない
◎相続放棄
実質的放棄ーー遺産分割で
手続き的放棄ーー3か月以内
母死亡
借金3,000万円
長男に生命保険金5,000万円
長男ーー相続放棄したい
非課税適用できないが
5,000万円そのまま残る
↓
両親 放棄
↓
兄弟姉妹
◎準確定申告4か月以内
納税額発生ーー申告しなければならない
還付ーー申告することができる
◎特別代理人
◎未成年後見人
孫ーー両親が亡くなって、自動的に祖父母になるわけではない
◎相続人が海外に住所
サイン証明
◎公正証書以外の遺言書の検認
◎内容の異なる遺言書が2通発見
第三章 相続税の申告実務の進め方
ーー「争続」への暴走を未然に防ぐための工夫
私見にもなるが
1.明朗会計
(1)報酬額の事前提示と業務契約書の締結
最初に半額戴く
(2)業務の受託範囲の確認
イチゲンさん
2.原則・毎月一回相続人への書面による説明と遺産の内容確認
紙に書いて繰返し繰返し
セカンドオピニオンの存在を意識
前提条件
わからなくてもわかったふり
職員は書面に慣れていない
訓練
P.87
名義預金について
ーー贈与と名義預金等との違い
相続税申告書の要約判
配偶者に対する軽減について
3.もめると損
申告期限までに分割協議が調うことが共通の利益
みなさんの協力でーー少しずつ譲り合って
多くの争続ーーほとんど最初の提案に近い内容でまとまるーー何だったの?
家の財産と家以外の財産
株ーー別財産ーー別腹
それ以外でまずまとめる
◎複数担当制による相互チェック
◎グレーゾーン
1)対・課税庁への対応方法
2)対・共同相続人への対応方法
「グレーゾーンですよ」としっかり説明
いざというとき、しっかりと忘れている
P.95
「相続税の申告に関する確認書」
ーーグレーゾーン
小規模
計算調整
配偶者
納税方法
農地
取得費加算
特別に処理した事項
◎相当注意義務の履行と書面添付
あくまで任意聴取
ーー確認できたもの
ーー確認できなかったもの
隠そうとしたものではなくてーー
\(^-^)/