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あにき、ちょっと

2014年04月14日 (月) 21:06
(無題)

四五 雷横と朱仝(しゅどう)、迫られて梁山泊にのぼる

「しかもすごいべっぴんですぜ。ぜひ行ってごらんなせえ」

「これ、むすめや、お前、町方のお人と土百姓とを見分ける目もないのか。いつまでそんな男にこだわってるんだ! もっとものわかりのいいお客さんにおねがいするがいいぜ」

「何だと! おれがものわかりがわるいというのか!」

知事はたちまちカンカンにおこって、雷横を逮捕し、首かせをはめて、町のまん中にさらしものにした。

「わたしは六十を越したのに、杖とも柱とも頼むたったひとりのせがれがこのありさま。どうぞ節級さん、お願いじゃ、これまで兄弟づきあいをして来たよしみに、せがれのことをよろしくお頼みします」

「…おれの方は、貴公を逃がしてやったからといって、けっして死刑になる心配はない。それにおれには両親もいないし、役所に使うくらいの財産もある。おれにはかまわず、さあ、はやく行ってくれ」

「この犯人は牢城営にやらずに、この役所で使うことにする」


「あにき、ちょっと」

「貴公はどうしてここへ?」

「呉先生はどこに?」
「ここにいますよ」

柴進(さいしん)「貴殿をぜひ山寨にお迎えしたいというのですが、貴殿がどうしてもいやだとおっしゃるので、わざと李逵に坊っちゃんを殺させて、まず帰心をしたら、山にのぼらざるをえないようにしたのです」

呉用と雷横「すみません。これもみな宋公明あにきの命令によったことです。山寨においで下さればわかります」
朱仝「諸君の好意からでたこととは思うが、それにしてもちとひどいなあ!」


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