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呉学究

2014年04月13日 (日) 11:54
呉学究

四三 一ぴきの虎のことから八人の好漢、梁山泊に投ずる

毛隠居「おいおい、何ということをいう? 虎が裏庭にいるなんて、屋敷の者が知っているわけはない。それをまたかついで行くなんて? お前たちもげんに見たはずだ。錠前をたたきこわしていっしょにはいって来たじゃないか」

楽和「包節級(ほうせつきゅう)は毛隠居から金をつかまされて、貴公たちを殺そうとしている。何とかしてやりたいがおれのひとりの力では、どうにもならない」

「にいさん、どうしてもいやだとおっしゃるの? よござんす。 それじゃわたし、今日はにいさんが相手だわ、わたしが死ぬか、にいさんが死ぬか!」
顧大嫂(こだいそう)はかくし持った二本の刀をすらりとぬいた。孫立はさげんだ。
「まて! はやまるな! まあ、とくと相談しようじゃないか」

おりから毛家は大旦那の誕生祝いで酒盛りの最中だった。好漢たちは喊声(かんせい)をあげてなだれこみ、たちまち毛隠居、毛仲義(もうちゅうぎ)以下一家の老若男女ことごとくきり殺した。……夜を日についで梁山泊へといそいだ。

孫立「われらおおぜい、手みやげも持たずにおしかけてまいりましたが、一つ祝家莊をやぶる計略をお目みえのしるしにしたい」


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