林 冲(りん ちゅう)は、中国の小説で四大奇書の一つである『水滸伝』の登場人物。林教頭とも呼ばれる。
天雄星の生まれ変わりで、序列は梁山泊第六位の好漢。あだ名は豹子頭(ひょうしとう)といい、豹のような顔という意味。これは『三国志演義』における張飛の容貌「豹頭環眼 燕頷虎鬚」と同一の描写がなされており、得物が蛇矛であることから張飛をなぞらえているとされる[1]。登場時34、5歳。槍棒を得意とし武芸の腕は梁山泊の中でも屈指。真面目な性格だが、上司や親友に裏切られ姦計によって命を狙われた事が性格に影を落とし、罪人となってからは酒を売らない百姓に怒って槍を振り回すなど粗暴な一面や、降伏した呼延灼の内通を疑ったり捕虜とした関勝を殺すよう進言するなど懐疑的な面も見受けられる。義兄弟は魯智深。『水滸伝』序盤の連続する好漢説話の3番目に登場し、その悲劇的な境遇から人気が高い。日本のテレビドラマ『水滸伝』では彼を主役として物語が構成されている。