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トランスヴァール

2014年03月07日 (金) 17:27
トランスヴァール

第六部

51 サッテイヤーグラハの起源
八歳以上のインド人は、男、女、子供の別なくトランスヴァールに居住しようとする者はみな、名前をアジア人登録係に登録し、そして登録証明書の発給を受けなくてはならない。…指紋をとることになっている。一定の期日以内に登録を出願しなかったインド人は、すべてトランスヴァールでの居住権を放棄しなくてはならない。

この法令が立法化されたときは、インド人は、それに従わないこと、この非服従に科せられるあらゆる懲罰を甘受することを、厳粛に決意したのであった。

シリ・マガンラル・ガンジーは…「よきたてまえを堅持する」という意味を持つ「サダグラハ」という言葉を提案した。わたしは、この言葉が気に入った。しかし、それはわたしがふくませたいと思った考え全部を言い表していなかった。したがってわたしは、それを「サッテイヤーグラハ」と訂正した。真実〔アグラハ〕は力を生む。したがって、力の同義語として役立つ。
こうしてわたしは、インド人の運動を「サッテイヤーグラハ」、すなわち、真実と愛、あるいは非暴力から生まれる力、と呼び始めた。そして、これとともに、「受動的抵抗」という言葉の使用をやめた。

52 投獄
アジア人登録法は、…駆け足で通過してしまった。

アジア人局は、あらゆる努力にもかかわらず、登録インド人が五百名足らずだったことを知った。それで彼らは、幾人かを逮捕することを決定した。

もしラーマ・スンダラを逮捕してしまえば、多数のインド人が許可証を願い出るだろう

逮捕第一号であったため、これをめぐって、政府当局もインド人も大騒ぎをした。かれが判決を言い渡された日、彼は、拍手喝采で祝われた。

しかし、…悪習にふけっていたので、獄中生活の孤独と禁欲は、彼には重荷だった。…彼は、トランスヴァールと運動とに永久におさらばを告げたのであった。…すべての純潔な運動の指導者は、運動に参加している者がすべて純潔な闘士であるように心がけなくてはならない。

「ここはインドじゃない」
「刑務所の飯に、うまいまずいの問題はない。だから薬味は許せない」

提案された解決案の要点は、インド人は自発的に登録すること、そして、もしインド人の大多数が自発的登録を終わったならば、政府は暗黒法を撤回すること、などであった。

53 襲撃
わたしが指紋とりに同意したというので、パターン族の一団が激怒した。

「君も、わたしといっしょに来るなら、親指二本を押すだけで、あんたの証明書を最初にもらってあげよう。それから、わたしは指紋をとらせて、自分の分をもらおう」
わたしがこの最後のところを言い終わるか終わらないうちに、重い棍棒の一撃が、うしろからわたしの頭上に振りおろされた。わたしは、「ヘ、ラーマ」〔おお、神よ!〕の言葉が口をついて出たところで、たちまち気を失い、地面にへたばってしまった。

54 サッテイヤーグラハの再開
暗黒法が採択されたと同じ年に、スマッツ将軍はトランスヴァール移民制限法と呼ばれる、もう一つの法案を立法議会に上程し、採択させた。この法律は、間接に、インド人を一人もトランスヴァールに新たに入らせまいとしたものであった。

サッテイヤーグラハ運動者の数名は、故意にトランスヴァールに入り、逮捕された。わたしもまた、ふたたび逮捕された。


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